スイマセン。劇場の「舞台と客席位置の関係」があまりにも興味深い作りをしていましたので、まずは図解で説明させてください(笑) →
立地は下北沢本多劇場の真横の地下一階。つい最近できた本多グループ所有の劇場で、キャパはMaxで100人位。
舞台が客席2箇所ともに面していて、客席と客席の間には柱。両方向から見られるので、どうしても柱の目の前が中央になり、、、転球さんが柱の目の前で凛々しく立たれたシーンが、確か一度あった気がします(笑)
今回はA列が座布団、B列が箱、C列からパイプ椅子で、F列位まであったハズ。前後列で総べて段差ありです。
全体的に舞台と客席との距離が近いから細かい所迄よく見えて、セットのおもちゃとかが手に届くような感じ。照れくさい位近い(笑)
そんな臨場感たっぷりの劇場での本公演。
山内さん、転球さん、敦子さんの3人が組んだら、ギャグ満載というか、愛すべきアホみたいな笑いが最初から最後までずーっとあって、笑って、笑って、ラストでガツーンと落としてくれるような気がしていたんですが、、、、思いっきり意表をつかれてきました。もちろん、とっっても良い意味で。
もちろん目で観て笑えるような、ものごっついアホみたいに笑う部分もたくさんありました。たけど、人間の弱い部分を見せつつ、すぱっとエゴ出しつつ、バイオレンスな手がありつつ、クライマックスのシリアスさありつつ、エンディングはハッピーエンドっていう、全部乗せしてるのにごちゃごちゃになってない作りだったんです!!
二人の関係がジグソーパズルのピース少しづつを組んでいくような、徐々に明らかにされていく絶妙な情報量の出し方(しかもその分量)も私好みだし、出演のお二人のキャラいじり(脚本!)も上手い。山内節ってこういうヤツなんだろうなぁ〜っていうのも実感してきました。
それとね〜・・・・敦子さんの表現力は素晴らしい!!!!!
敦子さんの役は、言葉は辿々しく、あまり外部との交流も持てずに両親と暮らし、中学生の頃から一途な想いを胸に現在まで生きている40才という設定。目の落ち着きの無さとか、一点を凝視している姿とかがなんかとてもリアルに感じて恐く、何かをしでかしそうなんですわ。彼女が自分で生い立ちを語り、それで自分が誰なのかやっと転球さんに理解された、あのクライマックスシーンには目が釘付けで、瞬きするのが惜しかった。
サモアリやKKPで観ている明るい元気キャラとは全く違う色なのに、今回の役も敦子さんにとてもマッチングしてました。あぁ、敦子さんってたくさんの引き出しを持っていらっしゃる。
転球さんはとにかく喋って動いて、まくしたてるように関西弁を使う元売れっ子芸能人で、今は転落まっさかり。しかも原因が「淫行」。売ってる女を買ったら未成年で、ソレを揺すられても応じなかったからマスコミにネタ売られたという・・・。しかもこの元売れっ子芸能人は「未成年はまずかったけど間違った事はしてない」と、自粛せずに芸能活動を続けたから転落。スターダムを勝ち抜い得た甘い部分を知っているけれど、今はソレが手に入れられないもどかしさ。虚勢が寂しい40才。これまた出てるんだよね〜。だから元売れっ子役者を観てて寂しいの。
転球さんはめっちゃ味があって、観れば観る程カッコ良いけど左とん平に良く似ている(笑) ←アドリブなのか劇中に「親戚にも似てるって言われたよ!!」とおっしゃってました(笑) それに対して敦子さんが「ヘイ、ユウ」と転球さんを呼んだ(爆)
展開がリズミカルにポンポンやってくるのに、出演者の二人は無理なく難無くスイッチングしていくんです。やっぱりこの方々は演劇出身なんだよなぁ。巧いんだよなぁ。判らないようにアドリブとか挟むんだよなぁ(笑)
この二人の骨組みを作った脚本の山内さん。
彼の中で感じている色々な部分を、転球さんに降ろしてたように思う。
汗だくだくになりながらも容赦しない役者同士のガチンコ勝負を観ているような気迫すら感じ、EDで《フェロモンをまとっていない山内君》の登場に、大笑いしてしまいました。
パンフもセンスいいでしょ(笑) コレ→
中はタオルで霜降り柄、そのタオルを包む紙の裏にコメント等が書いてあるそうですが、勿体なくて開けてません(爆)
そして最後に、1つだけネタバレ。
部屋にあった水菜で殴り合い。
もちろん箱が狭いから、水菜の香ばしい青臭いにおい漂う(爆)
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