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【劇団SET】 | |
赤堀二英 | ||
野添義弘、赤堀二英、宮内 大、大関 真、大竹浩一、丸山優子、白土直子、良田麻美、小形里美、中島 奏、能見達也(太田プロダクション)、新田将司(ACファクトリー) | ||
東京公演 2006年7月19日〜23日 | ||
東京公演[俳優座]2006/07/21 |
タイトルは、それぞれが始る前にスクリーンに映し出された文字たち。『タイツ博』と違い、幕間のMOVEはありませんでした。 ※配役は記憶が怪しい部分が多々あり。書いてあっても間違っているかもしれません(汗) □シタイ【各色タイツ】 とある公園に集まる散歩途中の犬達。兄弟のゴールデンレトリーバー(宮内さん・大関さん)や、パグ(白土さん)。ダックスフンドと何かのミックス(赤堀さん)や、プードル(中島さん・丸山さん)、ビーグル。それぞれがそれぞれで不満や悲しい過去があるらしい。 そこに、テレビで人気の言葉を喋るダルメシアン犬・ラッキー(能見さん)が、収録でこの公園にやってきた。ラッキーに憧れる犬達は、自分達もテレビに出られるよう、人間に向かってアピールする。 □ジタイ【各色タイツ】 七味唐辛子(野添さん)が司会で、一味唐辛子(宮内さん)・XO醤(赤堀さん)・サルサソース(中島さん)・コチュ醤(丸山さん)等の微妙な調味料が集まって、一番の調味料はドレかを討論する「朝まで生生テレビ」かと思いきや、ソコは料理番組のテレビスタジオ。使われる事無く、セットの一部として置かれている調味料達の時間潰しの遊びだった。「朝まで生生テレビ」も飽き、続いては「笑点」で大喜利を始めたけれど、遂に今日、自分が使われる日が来た!! チョイスされる調味料は、微妙なモノばかり。フライパンの中に入れられ、快調に調理されたものの、待っていたのは食卓ではなかったのでした。 □シダイ【茶色タイツに小物】 蝉がモデルの「真夏戦隊 セミンジャー」。全身茶色タイツに、背中には小さな羽根。主人公はヒグラシ(野添さん)で、行方不明の恋人を探していた。「恋人だ」と名乗った相手は敵のくノ一(女忍者)だった!! その他にミンミン蝉やアブラ蝉、ツクツクボウシなどセミの種類は豊富で、役もその名前に合わせて謎の中国武術使いの兄弟だったり、僧侶だったり。「蝉の仲間」が「セミンジャー」なのに、その蝉に命を狙われる蝉のヒグラシ・・・・。「それ(セミ同士で戦うの)、おかしくないか?!」とヒグラシが話しを止めて、リアル蝉の話しではなく劇団の稽古中であるコトが分った。何度も何度も稽古されるセミンジャーのヒグラシだったが、新人(丸山さん)にダメだしされっぱなし。そのダメだしをする役者の父こそ、流し目の松之介だったのだ! 何度も何度もダメだしされたけれど、気持ちを入れ、役者魂を燃やす。気持ちの入った所で通し稽古をしてみたら? □ジダイ【茶色タイツに両腕に葉っぱ】 都会の街路樹。自然の中とは違って、生暖かいビル風に吹かれ、ただただソコに立ち尽くしている。道路を走っていくタクシーや連なってくるバス、退屈な日々。そんな街路樹達の不満は、とあるビルの一室から流れてくるクラシック音楽に乗せて熱唱する事で発散されていく。曲は馴染み深い『ラデッキー行進曲』や『ボレロ』。そして、最後には、街路樹ならではの電色が輝く中で歌われた「生きとし 生けるものへ」。綺麗だ。 |
今年3月のタイツ博で、どっぷりハマってしまったようです(笑) 今年初めてタイツを観てから、ニ度目のタイツ。 以前の作品の発展的なモノもありましたが、今回は新作ぞろい。相変わらず、タップも見所満載・歌には鳥肌、素晴らしかった!!! 野添さんのキャラを日に日に好きになってゆくのは、何故だろう。 今回も幕が上がる前の緞帳前に出ていたスクリーンには、かわいらしいタイツマンズのキャラクターが映し出されていた。バックミュージックは色々な種類が流れていたように記憶しているけれど、印象に残っていたのは、森山直太郎の「生きとし 生けるものへ」。公演ご挨拶アナウンス後の「タイツ戦隊・タイツマン」のテーマソングも、そりゃ印象深い(笑) 私がついつい、タイツを観に行ってしまうのは、劇団SETの笑い、タップと歌の上手さにタイツ姿のコントラストっていうか、ギャップ。そして、野添さんのキャラ(笑) 野添さん、なんか好きなんだよなぁ〜・・・。縦横無尽っぷりなおやじギャグがツボなのかもしれません。 ショート4本で構成されていたので、1本がとても濃密で基本的にはテンポも良く、観終わればその迫力を体感しただけあって、すっきり・さっぱり・大満足ではありましたが、まだまだ、タイツの流れが掴めない私の勉強不足なのでしょうか。途中ちょっと長いかな?と感じてしまう部分がありました。それでもすぐにソノ空気を吹っ飛ばし、リズムを取り戻す舞台力は凄い。個々のレベルの高さを痛感してきました。 今回の公演で一番グッとキたモノは、1つのショートの中に私が好きな笑い・ハイレベルなタップが入っていた調味料の『ジタイ』。 「朝まで生生テレビ」という、某番組のパクリが基本になっていて、1つのお題(100位の調味料は何かとか)に対して討論するのだけれど、その討論内容が良い意味でアホアホ・司会をつとめた七味唐辛子(野添さん)が急にパーソナリティーになって討論し、思ったコトを止めどなく話すモノだから方向性が一瞬見失われる飛ばしっぷり・調味料がチョイスされてフライパンで料理される時の迫力あるタップに、グッとハートを掴まれました(笑) そんな七味唐辛子さんは、XO醤さんに向かって「バツマルって事か?!」とか「エクセレントって事か?!」とXとOから連想される事を思うがままに発言。「エクセレントたど綴りが違う」と言われてもソレが判らなかったようで、お顔は「???」とはてなマークが浮かんだまま。それでも「エクセレント」を連呼して呆れられてたっけ(笑) 野添さんは着地点が怪しく、縦横無尽なのです(笑) そんな笑いの後の、タップがねぇ〜・・・・すっっっごいかっこいい!! 総勢約9名位で踏んだんだけど、クラシック感がみじんもなく、ダンサブルでポップ。途中手拍子入れたり、グループ別に交互に踏んだり、それぞれでパートを受け持って違うリズムを踏んでアンサンブルしたり、途中フライパンからこぼれ落ちてしまって休憩できたり(もちろん、野添さん(笑)) まだ2回目ではありますが、タイツのタップはめっちゃかっこいいんだよなぁ〜。個人的には丸山さんのタップが好きかな。 その次ぎの戦隊モノを稽古している大衆演劇『シダイ』は殺陣があったり、女優陣のアクロバティックな側転等があったり、全体的にテンポが良かった。ヒーローがセミだから、戦う前の変身(?)は「脱皮」。聞いた瞬間「脱皮ってナンだよ!!」と突っ込みたくなったわ(笑) 最初は稽古だと思わせない始り方で、大体のストーリーを演じていく。そしてダメ出しがあったり、色々と打ち合わせて初めてコレが「稽古中」であると判って、同じ部分を何度も何度も合わせるんだけど、更にダメ出し。心を入れて演じた最終の通し稽古内容は、ヒグラシが一人勝手に台本を変えてしまって、ヒグラシを騙して「恋人だ」と言った女忍者に向かって「お前は本物なんだ。さぁ、目を覚ましてくれ!」とひたすら訴えかけたり、最初の稽古ではヒグラシと僧侶のツクツクホウシが戦うシーンがあったのに、最後の通しでは絡んで貰えず、ツクツクホウシは舞台の下手から上手に「ちょっと! 終わっちゃうよ!!」と叫びながら歩いたダケで出演終わっちゃったり、、、出演者が全員活かせてないめちゃめちゃな舞台になっちゃっているんだけど、最後の通しは一番面白いストーリー(笑) その予想を裏切られたヤラレた感がこんなに面白いとは思わなかったわぁ。 ラストの街路樹が気持ちを歌で発散させる『ジダイ』は、メッセージ性も含まれていて、その部分はついつい胸に留めて聞いてしまった。 歌の迫力の爽快感は、ホント、スっきりした気分になった。丸山さんのソプラノはいつ聞いても心地良過ぎなんだよね。 10月にはタイツではなく、劇団SETとしての舞台があるそうだ。 このタイツでタップの振りを付けてくれた方も出演の、ダンサブルな舞台になっているそうなので、興味をそそられている。・・・きっと観るだろうな(笑) |