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緒方明彦(貞広高志)はリアルで鮮明な夢を見る。戦国時代よりも前の貴族社会らしき時代に、刀をもったヤツらに追われ投獄された挙げ句に拷問を受けたり、命からがら逃げ出し恋人の目の前で追っ手に殺されてしまうというものだ。そんな緒方は、ある日街中で西野恵(邑野みあ)と出逢う。初対面で見つめ合う二人は互いに、なんとも言い難い奇妙な印象を持つ。緒方は声をかけるが、その気持ちを上手く伝えられないまま別れ、三ヵ月が過ぎた。 西野はバンドメンバーの小野寺(Nao)と黒部(富士原新)の新居探しに付き合い、花輪不動産(寿里)と、ある部屋に行く。人が住んでいなはずのその部屋には家具と入れたてのコーヒーが置かれていた。何の疑いも無くそのコーヒーを飲む黒部と西野に、ただただ呆れる小野寺。小野寺は「ココはあり得ない」と、違う部屋を探す事にし、その部屋を後にした。 するとその日、西野は不思議な夢を見た。夢の舞台は昼間行ったあの部屋で、そこにはいつか会った緒方と真央(福田花音)が住んでいたのだ。昼間あのコーヒーを飲んでいない小野寺の姿だけはなく、目覚めれば現実がある西野と黒部に対し、緒方と真央は「目覚められないからココから出られない」と言うのだ。 夢を見る度にこの部屋へとやってくる西野と黒部。緒方と西野はお互いに抱く印象を話し合い、それが二人共通して持つ記憶=前世である事に気付く。それは千年前、愛し合いながらも戦乱に巻き込まれ、引き裂かれた男女の悲恋であり、それが現在の二人に他ならなかったのだ。 夢の中でしか会えない二人は現実世界で会うことを約束するが、、、。 |
初演から4ヶ月という短期間での再演ではありしたが、それぞれの成長っぷりが眩しい、とても良い再演でした。感想は「日めくり」の8月20日分でつらつらと書きまして、大部分はそちらを見ていただければなと(汗) 初演より、再演時の方がそれぞれ役者陣の懐が深かった!! 「離れてみて初めて判った事」は、人の心を強く結び付けるものですね。チームワークもめちゃめちゃ良くなってたし、結束はより固くなってたと思う。こんなにも強い繋がりが生まれた中で演じている訳なので、初演時に見え隠れしていた遠慮は全くないし、個々の息もぴったり合っているし、お互いを思いやる気持ちがバンドの結束(特に恵(みあさん)とゆき(Naoさん)の関係)や前世からの関係にとても良く結びついていて、初演作よりも完成度が上がっていた。だから、クライマックスで流れる『千歳月』が心に響く響く!! すげー泣けました(号泣) ちょっとしたシリアスさの中に挟み込んで来る笑いも、初演より多く、大きくなっていた。その笑いに、ついに花輪くん(寿里)が絡みまして(笑) 今回挿入された、黒部(富士原新)とコーヒーの件でのコンビネーションは絶妙! 楽日には、空き部屋に家具を持ち込む犯罪の罪名なんかも言ってたし。実に堂々と、伸び伸び演じられていた。初演では、その身長を生かしたキャラというイメージしか無かったけれど、こんなに楽しい絡みが出せるのなら、どうして初演から絡ませなかったんだろうって、ホント思う。その姿がDVDに残らなくて残念でならないです。 そして・・・主演の西野恵演じる邑野みあさん。とっっっても綺麗になられて!! ぐっと大人びた表情や仕種。そして何より「恋しい」「切ない」という、このお話に無くてはならない感情の表現力が実にリアルになっていた。なので、一緒に観た友人と「みあさん綺麗になったよね。きっと恋、したんだろうね。」なんて話題になりました(笑) 知ったんだろうな。あの気持ちを。それで、アウトプットできたんだろうな。西野恵という形で。 千秋楽のカーテンコールで、みあさんが泣きながら「初演の時にこのお話を頂いた時、本当に私で良いのかなって思って。でも、色々な方から感動しましたとか言われて、私はこの為に、舞台に立つ為に生まれて来たんだなって、本当に思いました」というニュアンスで、この『千歳月』と、これまでのご自身の成長を振り返ってお話をされました。初演時より、再演の今回の方がグッと感情が入っていたのも、ご自身の進む道がより明確になられたからというのもあったのかもしれません。 とても素敵に輝いていたみあさん。千秋楽に見せたあのみあさんの熱演は、ずっとワタシの頭の中でリプレイできます。 冒頭でゆきちゃん(Nao)達にその夢の情景を語るウチにお姫さまと心がシンクしてしまった所。 夢の中の緒方(貞広高志)の部屋で、緒方と初めて顔を合わせた所。 病室のベットで、リアル緒方に向かって「1000年待ったのよ」と泣き崩れる所。 恐い夢を見たと怯えている真央(福田花音)を優しく抱き包む所。 緒方に真央の体はもう無いのだと、言葉少なに告げる所。 そして、リアル緒方が目を覚まし、その奇跡に涙を溢れさせていた所。 本当に、凄い熱演で、コレがお芝居ではなくて現実で起こっているお話みたいに観れました。これらのシーンを思い出すといつも、ドコでも泣けますよ、ワタシ(笑) こうして、成長著しい出演者をしっかりサポートしていた、彼らよりちょっと長い時間お芝居で生きて来た劇団S.W.A.T!の面々。それぞれのクオリティーは高いままで、常に安定。役での年齢に合った貫禄があったよね〜。黒部っちだけが、初演よりもキャラ強くなってたように思うのは気のせいかしら(笑) |
さて。今回は贅沢にも全公演におまけ付き。そのおまけ紹介をしたのが、この『千歳月』のおまけですっかりお馴染みになりました天才イベントプロデューサーのインド人ダ−さんとアシスタントのヤス(笑) ダ−さんが手掛けて成功した数々のイベントの中から、Scene of Heavenのミニライブ・『千歳月』をご覧に入れますということで、お芝居『千歳月』の主題歌であり、脚本の原案にもなったScene of Heavenのミニライブが開催されました。 ステージ上(緒方's Room)で楽器のセッティングをしている間は偽Scene of Heaven(花音ちゃん、みあさん、貞広さん、四大海さん、寿里さん)が登場しての、サマージャンボ大抽選大会開催!! 今回はチケットの半券を花音ちゃんが引き、それに当った人が更にどの出演者のプレゼントが貰えるかご自身がくじ(カラーボール)を引くという、二重抽選方式を取られていました。 花音ちゃんが四大海さんが持つ抽選箱から一枚半券を引くと、、、 黒部っち「花音ちゃん。ちゃんと一枚引けましたか?」 花音ちゃん「はい♪」 会場一斉に「かわいい〜ねぇ〜!!!」 と、お約束コール(笑) 3ヶ月のブランクを感じさせない会場の一体感は凄かった(笑) その抽選ですが、初日にみあさんが紙粘土で作ったという「サスケ」という大きなフィギュア(ダ−さんのお話だと、作りたてのサスケは生乾きの状態で楽屋に来て、とてもヌルヌルで微妙だったそうです(笑))。2日目には貞広さんが買って来た、ランニング時に足に付けるというウェイト2つ(各1kg)が出ました。 千秋楽の夜は残っている四大海さんと寿里さんの2人分の抽選。共に当ったのは男性の方で、男優陣のプレゼントにちょっとガックシしていましたが、それぞれのプレゼントを花音ちゃんが選んだと聞いて、ちょっとテンションが上がっていました(笑) 四大海さんからは「ナイス蚊っち」という、テニスラケットに似せて作った大きめなハエ叩き(笑) 寿里さんからは、ご自身で描かれた『千歳月』イラスト。そのイラストを花音ちゃんが選んだ写真立てに入れていました。その他の方のプレゼントはネットで見た所、Naoさんはリラックスアロマセット、ダ−さんからはトド肉入りレトルトカレー、黒部っちからは黒部っち手書きイラスト入りTシャツだったようです。 |
そして、準備が整った所で。Scene
of Heavenのミニライブスタート!! 『千歳月』1曲だと思っていたら、違うイントロが流れ・・・・・。なんと、8月15日にリリースされたばかりの新曲『棕櫚の手紙』と、MCを挟んで『千歳月』と2曲も唄ってくださいました!!! 千秋楽には会場がサイリウム(あの折ると光る棒)を持ってNaoさんをお迎え。サイリウムを見たNaoさんは吹き出されてしまいましたが(笑)、その横ではYOSHIYUKIさんが早くも号泣。胸元に下がるペンダントヘッドをギュッと握りしめ、うつむきながら演奏される姿がとても印象的だった。そしてMCでNaoさんは「そう来ましたか・・・(笑)」と一言。それから、この舞台『千歳月』に思う気持ちを語られて『千歳月』を大熱唱。2番目のサビから、出運者もサイリウムを持って舞台に登場。舞台には紙吹雪が舞い、皆で『千歳月』を唄いながらのグランドフィナーレとなりました。 Naoさんが唄い終わると同時に、花音ちゃんが急にピュ−っと舞台裏に走り消えます。その姿を見た出演者はビックリ。黒部っちと緒方くんは「ぴゅーって走って消えたよ?!」とビックリ笑いを浮かべて二人顔を見合わせていたところ・・・花音ちゃんが急いで花束を抱えて戻って来ました。そして、主演女優のみあさんにプレゼント!! これはサプライズだったようで、みあさんは感動の余りえぐえぐと号泣され、花音ちゃんもほろり・・・。とても素敵な光景を拝見しちゃったな。 カーテンコールもトリプル位あったでしょうか。最後はスタオベで『千歳月』メンバーをお見送り。個人的には、ジャニーズの『JAIL BREAKERS』かと思っちゃったよ(笑) Scene of HeavenはYOSHIYUKIさんが作る楽曲にも、Naoさんが付ける詩にも語り尽くせないストーリーが含まれています。それでこの『千歳月』が誕生しました。 その『千歳月』を観て、私は色々な大切なモノを再確認したり、改めて気付いたり。そして考えて、優しくもしっかりとした色が私に追加されたように感じています。 今回の新曲『棕櫚の手紙』にもストーリーがあり、初日のその歌詞を聞いて感動して泣けてしまいました。この『棕櫚の手紙』は、今後毎月1ヶ月毎にリリースされる三部作の一作目だそうです。 これらの楽曲からも、お芝居が生まれたらいいのになって、強く、強く思います。 素敵な“縁”をありがとうございました。そして、続いて行きますように。 |