劇団四季『異国の丘』を観てきました。
シベリアに抑留された一人の日本兵に焦点を当て、抑留されるまで和平の為に奔走し、抑留後も祖国を愛し貫いた生涯を描いた作品です。(フィクションではありますが、モデルになった人物は実在しています。)
抑留中のシーンは、作品の中での一部にすぎないのですが。
抑留兵はシベリアのマイナス40度の極寒の地で、重労働を強いられて。
ノルマを課せられ、達成出来ないと罰を与えられ、達成出来ればノルマは上がっていく。
食事もままならず、衣服ですら充分に与えられない。
次々に倒れていく仲間を、明日はわが身と思いながらも埋めてゆく。その数、6万人。(地域によっては、地面がツンドラ-氷結-で埋めてやる事もできなかったそうだ。)
日本に引き上げる際に筆記具は全て没収され、仲間の遺言状ですら、届けられない。
私の祖母の弟である大叔父が元・シベリア抑留兵であり、従兄弟が大叔父に何度も抑留中のことを聞きたいと申し出ても、一切語ってくれなかったそうだ。
一切語ってくれない程、“想像を絶する”事だったんだと思う。
身近に抑留されていた人物が居たから感じてしまうのかもしれないけれど。
この作品はプロパガンダじゃないから、どうかもっと、たくさんの人に観てもらいたい。
それに、ミュージカルだからこそ出来る事、感じさせる事が、あると思うんです。
そして、手向けになる事を願うばかり。
同じ事を繰り返さないように。無駄にしないように。