3月末からコンスタントに、毎週見ていた劇団四季『アイーダ』。
先週の4/11(日)で、ひと段落しました。
(3/28 アイーダ樋口さん×ラダメス金田(俊)さん×アムネリス五東さん)
(4/ 3 アイーダ樋口さん×ラダメス金田(俊)さん×アムネリス光川さん)
(4/11 アイーダ濱田さん×ラダメス阿久津さん×アムネリス光川さん)
ダブルキャストの面白さ、ソレらの組み合わせで生まれる役同士の呼応、そこから生まれる深み。
アイーダ濱田さん×ラダメス阿久津さんは、オリキャスというコトもあってか凄い鉄板コンビでした。
お二人とも台詞は流れるようなカツゼツと感情の入り方だし、雰囲気が持つ属性も同じだし、息の合い方が恐ろしいくらいぴったり。(日本語は母国語だしね)
芝居のシーンでも、役に入りきっているからこそのアドリブがバシバシ入るんだけど、あまりにバシバシと入るから、この二人以外のアイーダやラダメスはアッサリしすぎに見える位。
差異が大きすぎてしまって、ちょっと疑問ではありますが・・・。
チケットの売れ行きを肌で感じるような舞台でした。
アイーダ:濱田さん
王女の気品や威厳を持っていたり、しっとりとした大人の色気を感じるかと思いきや、少女のような可愛らしさからぐっと大人びた表情になったり。
冒頭にある、剣の大立ち回りはスピード感も間合いも抜群でした。
『私は知っている』のメレブに王女と言わない様に制する際、メレブの片腕だけ掴んで言い聞かせたり、顎をくいっと右手で持ち上げている姿は物凄く凛々しくて、(王女としての)完璧さというか、意識の高さを感じて。
だから戦争中にナイルの川辺を散歩するようなミスを犯すのが以外な気分がしたのよね。
ソレとは一転して、アムネリス姫に献上された際には物凄く幼い口調になってて。
なんとなく、、、幅が広すぎるような印象ではありましたが、芝居も歌もお上手でとっっても細やか。
『ローブのダンス』では、民の熱意に動かされなくても、元々リーダーの素質を感じる位凛々しかった。
桟橋で息絶え絶えのメレブを励ましている姿は、ラダメス×ゾーザーが台詞を交わしているのを忘れてしまう程でした。
ラダメス:阿久津さん
誰にでもフランクに、そして柔和に接することのできるヒーローっていう感じで、兎に角、優しい眼差し。
例えば、エジプトに到着した船上からメレブを呼ぶ際に両手を広げたりする仕草は、誰にでも気遣えるアメリカンヒーローそのものでした。
芝居のアクション(動き)は大きくて饒舌。
なんていうか、、、、スイートな雰囲気。 と、ハートをつけてしまうような物腰の柔らかさっていうか、聞き分けの良さを感じるのは、多分阿久津さんから醸し出される人柄な気がしました( ´艸`)
普段から柔和なので、逢瀬の際の「命令だ!」が、(金田(俊)ラダのニュアンスとは違って)命令っぽくなくて、微笑ましかった(^ ^)
親子喧嘩のシーンでは台詞を間違えていたような気がしますが、何て言ってたか忘れちゃいました。
アムネリス:光川さん
観れば観るほど、虜になっている私。
兎に角、表情は豊かだしアムネリスのカワイさがにじみ出てるし。
国政に考えがおよびはじめると、(ほんの少しづつだけど)成長してゆく姿が垣間見れる。
「ヒッタイト族 全滅作戦について」の棒読みで、会場からは笑いが!
怒ってはけてゆくしぐさも、なんかキュンとしちゃいます。
その後の『真実をみた』や、『愛の物語(リプライズ)』の最後の「あぁ~いぃ~・・・」の細い声を聞いて、またまた号泣~っっっ(ノω・、)
裁判のシーンではまたもや涙を堪えられたであろう(光ってたので多分)鼻水、そして淡々としながらも完全に感情を殺しきれていない姿や声の出し方なんです。
「命令である」の「れ」部分で声が裏返ってしまったけれど、ソレが余計に悲痛な叫びに聞こえてさらに号泣しました(ノω<、)
濱田さん×阿久津さんの特記は2つあって、1つ目はお二人の声質のマッチング。
特に『迷いつつ(リプライズ) 』のハーモニーは溶け合ってて、物凄く美しかった。
阿久津さんの「♪固い~絆に~」の、固い~の部分が物凄く感情が入って泣けたわ、、、。
そして『儚い喜び』のアイーダ×ラダメスの持つ心情が、自分の心にストーンと入った。
部分的には「♪どぉ~したのかな こんなことを 心許して話してしまう~」の歌いだしの部分。
二人が胸中を笑顔で語らって見詰め合った後に
お互いが何でココまで話せたのかと はっ とした顔をして、曲の出だしより少し遅らせている(でも二人の歌い出しは同時)なのには、、、本当に参りましたm(_ _)m
そう、アンサンブルに
ものすーーーーーーーーーーーーーっごく、懐かしい方を発見。某所でよく拝見しておりました(笑)
<<4/11のキャスト表>>
~~~以下は私の余談~~~
実は。
ちょっとした仕草や動く範囲の広さ、
そして台詞に込める感情の違いでこんなにも作品が変わってしまうとは(+_+)
と、想定範囲を超えた「呼応」に触れてしまい、今までに無い衝撃を受けてしまって。
今はようやっと落ち着きましたが、
それまでは自分のココロをどうしたらイイのか判らなくなっていました。
「作品が変わってしまう」というと、(比較物やそのものに対して)マイナスイメージな言葉かもしれないけれど、決して、甲乙つける意味での「作品が変わってしまう」ではありませんから!!(力説)
それぞれにそれぞれの描き出した役や、人間の持つ個体差っていうのがあるから、それぞれにそれぞれの良さや風味が存在している。
ザックリといえば、声質、台詞回し(イントネーション)やそれに対しての台詞返し、演技の大きさ(饒舌さ?)。
演者単独のシーンでアレンジするには小さな波だけれど、それがたくさん打ち寄せたり、
二人揃ってとか、複数で一致したアレンジになると、ビッグウェーブになって届いてみたり。
今回は、それぞれの組み合わせが持つ「呼応」はそれぞれの「呼応」なんだけど、
その度合いや方向ベクトルの違いを目の当たりにした気がするし、それを受けて、それまで自分が描いていた人物像が違って見えた衝撃があったっていうのかな・・・(-x-;)
アイ×ラダは東京全キャストでの組み合わせを観たけれど、
顕著に違いを感じるのは、阿久津さんがラダの場合かもしれない。
ちなみに、
上手さや巧さを感じるのは濱田さん×阿久津さんの、アダルティなオリキャスチーム。
自分好みに感じるのは樋口さん×金田(俊)さんの、ヤングチーム。
それぞれのお客様が、
「観たい!」という組み合わせを満遍なくやってくれたら嬉しいです(〃∇〃)