小林賢太郎演劇作品『うるう』

たくさんの演目。
たくさんの観客。

観た分の、立ち会えた分の思い出が山ほど詰まっている。
天王洲 銀河劇場。
こちらでは、2月19日(日)まで公演をしていました。

作品名からは、
『 THE SPOT 』の中の一つの作品、
「うるうびと」を連想した方も多かったことでしょう。
私もなんとなく、
今年がその年であることを頭の隅に確認しつつ、
劇場に向かいました。

どたどたした日々をすごし、
ツアーがスタートしたことも気付かないまま、
年を越していました。
そして、オフィシャルサイトも見ないまま、
観劇当日を迎え、
掲示されていたポスターを見て、ビックリ。

 

 

賢太郎さんの銀髪。
青弦さんの生チェロ。

-ひとりになりたがるくせに寂しがるんだね-
おかしくて、美しくて、少し悲しい、ある友情の物語。
うるう年のうるう日のように、「あまりの1」が世界のバランスをとることがある。
これはカレンダーだけの話ではなく、人間もそう。
世界でたったひとり余った人間「うるうびと」。
彼が少年と友達になれなかった本当の理由とは・・・。

(KENTARO KOBAYASHI WORKSより)

単純な私には、
このポスターのチェロと深い森が、イーハトーヴの情景に浮かんだ。
そう、故郷の自然を愛した宮沢賢治の理想郷。
彼の作品である『セロ弾きのゴーシュ』と、
『銀河鉄道の夜』の二人の少年。
※ラーメンズの『TEXT』内で、「銀河鉄道の夜のような夜」
という作品がある位、小林氏が愛しているお話なのだと思う。

劇場内のセットは、とてもシンプルな3色の木材パネルの壁。
パズルのように、パッチワークのように、組まれていた。
そして、舞台向かって右に、椅子と譜面台。
反対には、3段程度の階段に、三角脚立。

ストーリーの始まりは、
静かに、ゆっくりと。
小説のページを、めくるように。
大人のための児童文学が、
はらはらと
ひらひらと
小林賢太郎氏から、溢れてくる。

時には、笑いを。
時には、やんちゃさを。
時には、寂しさを。
時には、彼特有の細い細い、笑顔を。

チェロの奏でる旋律は
歌い、しゃべり、走り、鳴く。

根底にはサイエンスフィクションがありながらも、
人と人との心のつながりが胸を打つ純文学。

最後は「良かった」と、安堵を覚えつつも、
「でも、この先、彼は・・・?」と、気付いてしまう寂しさもあった。
それが、大人のための児童文学と呼ばれる、所以かも、しれません。

このツアーの終着点は、大阪。
2月23日(木)~29日(水)の、うるう日が最終公演です。
狙ったな、と、思う(笑)

なので、具体的な部分はまだまだ、胸の中へ。

ツアーグッズは、ポスターと、このTシャツ。
胸には、うるう日の「229」が書かれていて、
厚手の生地を使用しながらも、肌触りは柔らかい、1枚4000円。
Tシャツを購入したのは、もの凄く久しぶりかも。

 

DVD作品としてリリースして欲しいけれど、
4年に一度上演される作品として、
とっておいて欲しい気分もします。
そして、“4年前の自分の気持ち”と、
“今感じている気持ち”を感じるのもまた、一興かもしれませんな。

☆おまけ☆
劇場横のお花たち。

 

ホワイトチョコレートの天井と、
デコレーションケーキみたいなシーフォートスクエア。

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